車両
2024.07.03更新
新規公開しました。

30000A系/2022.08.31-高井田

30000A系/2023.04.28-九条

概 要

 大阪市高速電気軌道30000A系車両は、2022(令和4)年7月22日から中央線で営業を開始した車両で、大阪・関西万博開催期間中の輸送力増強のために投入された。30000系を31系・32系と呼称するのと同じく、30000A系も32A系と呼称することがあるが、一般的には30000A系と呼ばれることが大半となっている。

試作車第01編成

 2021(令和3)年12月9日に中央線への30000A系の投入が発表された。御堂筋線で活躍している30000系(31系)を中央線用に改良したもので、バリアフリーの推進や多言語案内の充実化など、大阪・関西万博を見据えた車両となっている。30000A系は万博開催終了後に谷町線へ転属する予定となっており、そのため車号の千の位が中央線を意味する「4」ではなく谷町線を意味する「2」となっている。谷町線ですでに活躍している30000系(32系)との車号重複を避けるため、末尾2桁は50番台としている。投入の名目は400系が20系・24系の置き換え、30000A系は輸送力増強用とされているが、実際には30000A系が20系・24系を順次置き換えていった。

 2022(令和4)年3月16日に第51編成の第1陣が緑木に搬入され、営業運転に向けた調整が行われた。調整は走行する四つ橋線・中央線・近鉄けいはんな線に加え、将来転属予定の谷町線でも行った。

 2022(令和4)年7月22日の運番13から営業運転を開始、現在は6両編成10本の60両が中央線・相互直通運転をしている近鉄けいはんな線で活躍している。

近鉄線内での誘導障害試験

近鉄線内での誘導障害試験

営業運転に向けた試運転

営業運転に向けた試運転

谷町線に顔を出した第52編成

谷町線に顔を出した第52編成

外 観

前頭部

 車体は30000系に準じており軽量ステンレスが使用されている。ただし従来の帯からはデザインを変更し、号線カラーを残しつつ斬新なデザインとした。それぞれのスパークルドットは大阪の賑わいと人々の輝く姿をシンボル化したもので、人・街・乗り物が有機的に繋がりあう、これからの新しい未来を表現している。ホワイトは「街ゆく人々」、アースグレイは「街並み」、グリーンは「OsakaMetroの車両」を意味し、ゴールドは未来社会を表現し、そこに存在するすべての要素が多様性をもってランダムに「集まる」「つながる」ことをイメージしたものとなっている。デザイン変更以外は基本的に30000系と同じだが、車号表記が車体に直接シールを貼るタイプに変更され、30000系まで続いたVVVF車を表すロゴマークはこの形式より省略されている。またこの形式より旧森之宮グループ(谷町線・中央線・千日前線)の車両でも、連結器が緑木型となっている。

32600A形側面

32600A形側面

32100A形側面

32100A形側面

32800A形側面

32800A形側面

32300A形側面

32300A形側面

32200A形側面

32200A形側面

32900A形側面

32900A形側面

連結面間転落防止装置

連結面間転落防止装置

側面肩車号表記

側面肩車号表記

前頭部車号表記

前頭部車号表記

簡易運転台部分

簡易運転台部分

製造銘板

製造銘板

緑木型(左)と森之宮型(右)の連結器

緑木型(左)と森之宮型(右)の連結器

車 内

車内

 車内はスパークルドットをアレンジして配し、新しい未来を感じさせるワクワク感を演出した。座席色を背と座面で切り替えて背をゴールドイエロー、座面をターコイズブルーとし、下方に重心を置くことで車内全体を明るく軽やかに見えるように考慮している。設備は31系・32系を合わせたような形になっている。座席は31系第01~03編成・32系と同様の形状として扉間は5人掛け、車端部は3人掛けで1人あたり470mmとしている。31系同様にどちらか一方へ160mm移動させることにより、扉横に500mmの「ゆとりスペース」を確保した。座席中央部には縦手すりが設置されている。座席袖仕切りは31系第10編成以降と同様の大型のものを採用、透明することで圧迫感を軽減させている。荷棚は高さを全車両で20系より100mm低くして幅広い方々に利用しやすく配慮、また扉横に立っている旅客が急ブレーキ等でふらつき頭部とぶつかることを防止するために荷棚端部を縮小した。つり革は扉部並びに枕木方向にも設置しており、優先座席部はオレンジ色のつり革となっている。車椅子・ベビーカースペースは32系同様の車端部に配置されており、車椅子固定用具と窓上部にあった手すりは廃止されている。車内照明は31系第04編成以降と同様の間接照明型LEDを採用しているが、昼白色の1色のみで調光・調色機能は無い。車内案内表示装置は31系同様の17インチワイド2画面一体型LCDで、4か国語(日本語・英語・中国語・韓国/朝鮮語)の案内に対応、車内Wi-Fiも整備済みである。車内台車上部の床面にあった作業用揚げ蓋は廃止されて床面がすっきりした。空気浄化装置は31系のプラズマクラスターからナノイーXに変更されている。セキュリティ対策として防犯カメラを新造時から設置し、客室内点検蓋の錠がディンプル錠に変更されて防犯性の向上を図っている。運転台では車両側方監視用モニタが設置されたことに伴い、従来の日除け板の搭載が困難となったことからカーテン方式に変更されている。

座席

座席

優先座席

優先座席

座席袖仕切り

座席袖仕切り

車椅子・ベビーカースペース

車椅子・ベビーカースペース

車内案内表示装置

車内案内表示装置

扉開閉案内装置

扉開閉案内装置

枕木方向つり革

枕木方向つり革

乗降扉

乗降扉

客室妻側

客室妻側

運客仕切

運客仕切

床敷物

床敷物

照明

照明

空気浄化装置はナノイーXを採用

空気浄化装置はナノイーXを採用

防犯カメラ

防犯カメラ

乗降扉横手すり

乗降扉横手すり

客室内点検蓋の錠方式が変更

客室内点検蓋の錠方式が変更

運転台

運転台

台 車

台車(集電装置付き)

 台車は30000系から仕様変更となり、ボルスタレス台車の新形式WS-300を採用している。

台車(集電装置なし)

台車(集電装置なし)

行先表示器

登場時

登場時

 30000系と同じく前面はフルカラーLED、側面は3色LEDとなっている。

登場時

-現行-
1
2 コスモスクエア[C10]

Cosmosquare
3 大阪港[C11]

Osakako
4 阿波座[C15]

Awaza
5 谷町四丁目[C18]

Tanimachi 4-chome
6 森ノ宮[C19]

Morinomiya
7 長田[C23]

Nagata
8 新石切[C26]

Shin-Ishikiri
9 生駒[C27]

Ikoma
10 学研奈良登美ヶ丘[C30]

Gakken-Nara-Tomigaoka
11
12
13 回送

Out of service
14 試運転

Out of service
15 臨時

Extra
16

主要諸元表

形式 30600A

32600A
30100A

32100A
30800A

32800A
30300A

32300A
30200A

32200A
30900A

32900A
車種 Tec1 Mb1' T' Mb2 Ma2 Tec2
車体構造 ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス
自重〔t〕 32.7 35.8 25.8 35.4 33.8 32.5
定員(座席定員)〔人〕 130(33) 140(39) 140(39) 140(39) 140(39) 130(33)
車体長〔mm〕 18,900 18,700 18,700 18,700 18,700 18,900
車体幅〔mm〕 2,890 2,880 2,880 2,880 2,880 2,890
車体高〔mm〕 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置
形式不明 <日立IGBT>

51~60
主電動機

●:形式不明

  140kw 4個/両
駆動方式

●:WN駆動

  歯車比 99:16
連結装置

●:緑木型密着

○:半永久
低圧電源装置

●:形式不明
空気圧縮機

●:C-2000L
集電装置

▼:TC-27A

  第三軌条上面接触式
制動装置 OEC-4M 電気指令式電磁直通空気ブレーキ

(回生ブレーキ・抑速ブレーキ・保安ブレーキ・応荷重装置付)
台車形式 WS-300(M車:SS-190M、T車:SS-190T)
最高速度 OM線内:70km/h 近鉄線内:95km/h
加速度 OM線内:3.0km/h/s 近鉄線内:3.0km/h/s
減速度 3.5km/h/s(常用最大) 4.5km/h/s(非常)
集電方式 / 電圧 第三軌条集電方式 / 直流750V
走行路線 大阪市高速電気軌道中央線(コスモスクエア~長田)

近畿日本鉄道けいはんな線(長田~学研奈良登美ヶ丘)
配置 森之宮検車場

車両履歴表

編成表

〔←コスモスクエア 学研奈良登美ヶ丘→〕

竣工日 製造所 営業運転開始日 備 考
32651-32151=32851-32351-32251-32951 2022.04.08 近車 2022.07.22
32652-32152=32852-32352-32252-32952 2022.07.28 近車 2022.08.05
32653-32153=32853-32353-32253-32953 2022.08.22 近車 2022.08.31
32654-32154=32854-32354-32254-32954 2022.09.02 近車 2022.09.12
32655-32155=32855-32355-32255-32955 2022.09.26 近車 2022.10.04
32656-32156=32856-32356-32256-32956 2022.10.07 近車 2022.10.19
32657-32157=32857-32357-32257-32957 2022.12.06 近車 2022.12.15
32658-32158=32858-32358-32258-32958 2022.12.16 近車 2022.12.26
32659-32159=32859-32359-32259-32959 2023.01.06 近車 2023.01.17
32660-32160=32860-32360-32260-32960 2023.01.19 近車 2023.01.29