車両
2023.08.25更新
新デザイン化、一部加筆、写真を追加しました。

9000形/2014.06.16-新大阪

9000形/2016.03.28-新大阪

概 要

デビュー記念ヘッドマーク

 北大阪急行電鉄9000形車両は、2014(平成26)年4月28日から営業運転を開始した車両で、8000形の置き換えと箕面萱野延伸用に製造された。8000形の愛称を受け継ぎ、「ポールスターⅡ(POLESTARⅡ)」の愛称がついている。主電動機にPMSM(永久磁石同期電動機)を採用するなど最新技術を取り入れ、従来の8000形車両に比べ25%以上の省エネルギー化を達成している。運転台では、北急南北線・御堂筋線で初めて主幹制御器がワンハンドル方式となった。

 2013(平成27)年12月11日に9000形導入が発表、「お客様への静かなやすらぎ空間の提供とさらなる環境性能の向上」をコンセプトに開発された。外観は「無塗装ステンレスによる光のリフレクション効果を取り入れた立体感のあるデザイン」とし、車内は阪急系列である北急伝統を踏襲した木目調の化粧板・ゴールデンオリーブ色の座席とした。2014(平成26)年に第01編成、2015(平成29)年に第02編成が投入され、8000形第02・04編成をそれぞれ置き換えた。

 2016(平成30)年2月2日には3次車となる第03編成から外観デザインを変更することが発表された。「POLESTARⅡの親しみさを重視し、従来よりもスマートな優しさを持たせるため」をデザイン変更の趣旨とし、緑地公園以北の沿線風景として馴染みがある「竹林」をテーマとした。側面上部は菊炭色、側面窓周りは濃いマルーン系の地色に竹柄のグラフィックとグラデーションをアレンジ、腰部はマルーン・アイボリー・レッドの3色となり、全体的にアイボリーの面積が大きくなったことで先代8000形を思わせるような印象となった。第03・04編成は、8000形の第01・05編成をそれぞれ置き換えた。

 2020(令和2)年2月24日~12月上旬まで、第01編成の9001号車・9901号車に北大阪急行開業50周年記念ラッピングが施された。1970(昭和45)年に行われた大阪万博のと、それを機に開業した北大阪急行のコラボとなるラッピング列車で、北急のマナーキャラクター「北鳩家族」が大阪万博にタイムスリップする様子が描かれた。当初は2020(令和2)年9月30日までの予定であったが、12月上旬まで延長された。

 2023(令和5)年5月25日には箕面萱野延伸用に3編成増備されることが発表された。第01・02編成同様のシルバースタイルに戻ったものの、2025(令和7)年3月末までの予定で「箕面ラッピングトレイン」として運行されることが同時に発表された。

 現在、10両編成5本の50両が北急南北線・相互直通運転をしている御堂筋線で活躍している。

第01編成

第01編成

第02編成

第02編成

第03編成

第03編成

第04編成

第04編成

北急開業50周年記念ラッピング

北急開業50周年記念ラッピング

行先表示器には様々な内容が収録

行先表示器には様々な内容が収録

第05編成の箕面ラッピングトレイン

第05編成の箕面ラッピングトレイン

外 観

9000形外観

 車体はレーザー溶接によるステンレス車体で、車体・台枠構造を強化して安全性向上を図っている。第03・04編成は「竹林」をテーマとした外観となったが、箕面萱野延伸用に投入された第05~07編成は、再びシルバースタイルとなった。

 車体側面は、相互直通運転先の御堂筋線31系に準じた設計となっている。8000形とは帯デザイン・配置が異なっており、第01・02・05~07編成は腰部にマルーン・アイボリー・レッドの帯を配し、上部にマルーンの帯を配している。第03・04編成は、8000形でもお馴染みのアイボリーをベースに、上部には菊炭色の帯、窓周辺部分には濃いマルーン系の地色に竹柄のグラフィックとグラデーションをアレンジしたでザインとなっている。この部分は光の当たり方で見え方が異なり、地上・地下双方で見栄えが良くなるようこだわっている。腰部の帯はシルバースタイルの編成より細いものとなっている。その他、車紋の位置が第01・02編成では車端部、第03編成以降は中央部に変更となっている。

 車体前頭部は、8000形では貫通口を車掌室いっぱいに寄せていたが、9000形では若干中央に寄った形となっている。光のリフレクション(反射)効果を取り入れ、立体感のあるデザインとなっている。上部には北急ロゴと行先表示器を設置。LEDとなった前照灯・尾灯は8000形に比べて位置が高くなっており、そこに側面腰部と同じデザインの帯が配され、右側にポールスターⅡのロゴが設置されている。下部には8000形と同じく補助排障器が取り付けられている。第03・04編成はマルーンをベースに落着きのあるデザインとし、ポールスターⅡエンブレムが1.3倍大きくなっている(第05~07編成も同様)。

前頭部

前頭部

前頭上部

前頭上部

前頭下部

前頭下部

POLESTARⅡエンブレム

POLESTARⅡエンブレム(第01・02編成)

POLESTARⅡエンブレム(第03編成以降)

POLESTARⅡエンブレム(第03編成以降)

北急ロゴとこだわりの竹柄

北急ロゴとこだわりの竹柄

車 内

9000形車内(第01・02編成)

 車内は、木目調の化粧板・ゴールデンオリーブ色の座席など北急の伝統を踏襲したデザインで、車内連結面貫通路は自動扉となっている。車内照明には白色から電球色まで5段階の調色可能なLEDを採用。消費エネルギーを削減し、季節・時間帯で色合いを変えることで快適な車内空間の提供を可能にしている。車内案内表示装置にはLCD方式を採用、15インチLCD2画面と横長19.2インチLCD1画面を交互に配置して、全扉に車内案内表示器が設置されている。

 第01・02編成の車内は基本的には同じであるが、連結面自動扉のボタンが光らない(第01編成)と光る(第02編成以降)の違いがある。第03編成以降は乗降扉付近のスペース確保のために座席幅を短くして区分柄を無くした。その影響でスタンションポール(座席中央部の握り棒)は廃止、荷物棚の先端をつかまり易い形状に変更している。ほかに乗降扉のガラスが複層ガラスに変更、カーテン柄が竹をテーマにしたものに変更されているなどの違いがある。第04編成では床敷物が石畳柄に変更となり、優先座席部のつり革がオレンジ色となった。第05編成以降は床敷物が第01~03編成と同様のものとなり、新造時から車内に防犯カメラが設置されている。

9000形車内(第03編成)

9000形車内(第03編成)

9000形車内(第04編成)

9000形車内(第04編成)

9000形床敷物

9000形床敷物

9000形床敷物(第04編成)

9000形床敷物(第04編成)

9000形座席(第01・02編成)

9000形座席(第01・02編成)

9000形座席(第03編成以降)

9000形座席(第03編成以降)

9000形優先座席(第01・02編成)

9000形優先座席(第01・02編成)

9000形優先座席(第03編成以降)

9000形優先座席(第03編成以降)

9000形車椅子スペース

9000形車椅子スペース

9000形車内案内表示器(15インチ)

9000形車内案内表示器(15インチ)

9000形車内案内表示器(横長19.2インチ)

9000形車内案内表示器(横長19.2インチ)

連結面自動扉のボタン(第01編成)

連結面自動扉のボタン(第01編成)

連結面自動扉のボタン

連結面自動扉のボタン

乗降扉(第01・02編成)

乗降扉(第01・02編成)

乗降扉(第03編成以降)

乗降扉(第03編成以降)

台 車

台車

 台車は、モノリンク式ボルスタレス台車のSS-178を使用している。

改 造

可動式ホーム柵対応化・ATO/TASC化改造 【2020(令和2)~2021(令和3)年】

 御堂筋線全駅への可動式ホーム柵設置に伴い、可動式ホーム柵に対応する改造を行うことになった。可動式ホーム柵対応機能追加や、定点停止支援装置としてATO/TASC機器の搭載が行われた。TASC車上子は9600形に設置されている。

行先表示器

登場時

登場時

 北急車で初めてLED方式となった。行先の収録内容は大阪市交車と異なり、なんば・西田辺は収録されていない。

※臨時の「●」部分には様々な絵柄がある。

登場時

-現行-
1 千里中央

Senri-Chuo
2 桃山台

Momoyamadai
3 江坂

Esaka
4 新大阪

Shin-Osaka
5 中津

Nakatsu
6 梅田

Umeda
7 天王寺

Tennoji
8 あびこ

Abiko
9 新金岡

Shinkanaoka
10 なかもず

Nakamozu
11 回送

Out of service
12 試運転

Out of service
13 貸切

Out of service
14 臨時

Out of service
15 ●臨時●

Out of service
16 北大阪急行
16 万国博
18 ★POLESTARⅡ

主要諸元表

形式 9000 9100 9200 9300 9400 9500 9600 9700 9800 9900
車種 Mc1 Tp Te T1 M2 M1 T2 Te Tp Mc2
車体構造 ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス
自重〔t〕 37.6 28.8 30.7 27.5 36.4 36.4 27.5 30.7 28.8 37.6
定員(座席定員)〔人〕

(上:01・02、

 下:03以降)
128(39)

129(39)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
138(45)

139(45)
128(39)

129(39)
車体長〔mm〕 18,900 18,700 18,700 18,700 18,700 18,700 18,700 18,700 18,700 18,900
車体幅〔mm〕 2,880 2,880 2,880 2,880 2,880 2,880 2,880 2,880 2,880 2,880
車体高〔mm〕 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置
SVF096-B <東芝IGBT>
主電動機

170kw 4個/両
SEA-542(東芝)
駆動方式

●:WN駆動

  歯車比103:14
連結装置

●:緑木型密着

■:緑木型密着+電連付

○:半永久
補助電源装置

●:IVN136-F
空気圧縮機

●:AR1544D-RWS20H
集電装置

▼:TC-25

  第三軌条上面接触式
制動装置 HRDA-1RB 電気指令式電磁直通空気ブレーキ

(回生ブレーキ・保安ブレーキ・応荷重装置付)
台車形式 M車:SS-178M T車:SS-178T
最高速度 北急線内:70km/h OM線内:70km/h
加速度 北急線内:2.8km/h/s OM線内:2.8km/h/s
減速度 3.5km/h/s(常用最大) 4.5km/h/s(非常)
集電方式 / 電圧 第三軌条集電方式 / 直流750V
走行路線 北大阪急行電鉄南北線(千里中央~江坂)

大阪市高速電気軌道御堂筋線(江坂~中百舌鳥)
配置 桃山台車庫

車両履歴表

編成表

〔←千里中央 中百舌鳥→〕

竣工日 製造所 営業開始日 可動式ホーム柵対応化

ATO/TASC化改造
備 考
竣工日 改造所
9001-9101-9201-9301-9401=9501-9601-9701-9801-9901 2014.04.28 近車 2014.04.28 2021.02.01 桃山台
9002-9102-9202-9302-9402=9502-9602-9702-9802-9902 2015.02.02 近車 2015.02.02 2020.10.14 桃山台
9003-9103-9203-9303-9403=9503-9603-9703-9803-9903 2016.02.26 近車 2016.02.27 2020.12.07 桃山台
9004-9104-9204-9304-9404=9504-9604-9704-9804-9904 2017.04.27 近車 2017.04.28 2020.08.21 桃山台
9005-9105-9205-9305-9405=9505-9605-9705-9805-9905 2023.05.-- 近車 2023.08.01 新造時より対応
9006-9106-9206-9306-9406=9506-9606-9706-9806-9906 2023.07.-- 近車 新造時より対応
9007-9107-9207-9307-9407=9507-9607-9707-9807-9907 2023.08.-- 近車 新造時より対応