車両
2024.03.17更新
車両履歴表を更新しました。(第21・23編成のATO/TASC化改造)

7020系/2005.05.03-吉田

7020系フルカラーLED車/2019.10.10-コスモスクエア

概 要

 近畿日本鉄道7020系は、2006(平成18)年3月27日開業の近鉄けいはんな線延伸開業用として登場した車両で、2004(平成16)年12月1日から営業運転を開始した。「過去~現在、そして未来へ」をテーマに、鉄道車両としては日本初となるグッドデザイン商品に選定された7000系を最新技術を用いてリメークした。製造・保守両面でコストダウンを図り、人に地球に優しくをコンセプトとして開発された。近鉄シリーズ21と同時期に製造されているが、公式にはシリーズ21に含まれない。

第22編成

 2004(平成16)年から2005(平成17)年にかけて全編成が近畿車輛、6両編成4本24両が約32億円で製造された。7000系と同じく所属は東花園検車区で、配置は東生駒車庫である。けいはんな線延伸開業に先立ち2004(平成16)年12月1日より第22編成が営業運転を開始し、12月7日より第21編成、2005(平成17)年1月29日より第23編成、3月19日より第24編成がそれぞれ営業運転を開始した。

 登場間もない2005(平成17)年には近鉄線内ワンマン運転化に伴う改造が行われ、2023(令和5)年からはOsakaMetro中央線内の自動運転化・ワンマン運転・可動式ホーム柵設置に対応するため、ATO/TASC化・OMワンマン化・可動式ホーム柵対応化改造を開始した。

 現在、6両編成4本の24両が近鉄けいはんな線・相互直通運転をしているOsakaMetro中央線で活躍している。

生駒駅に留置中の第24編成

生駒駅に留置中の第24編成

開業ステッカーを貼る第23編成

開業ステッカーを貼る第23編成

貸出運用に就く第21編成

貸出運用に就く第21編成

屋根には換気扇カバーなし

屋根には換気扇カバーなし

第21編成

第21編成

7000系と7020系

7000系と7020系

外 観

7020系側面

 車体は鋼製で白色(パールホワイト)に全塗装されている。鉄道車両で日本初の通商産業省グッドデザイン商品に選定された7000系のエクステリアを受け継いだ。

 車体側面は、車体長18mの片側4扉、側面窓は2連窓1枚下降式が採用されている。腰部には橙と青の帯が巻かれており、橙は生駒から昇る太陽をイメージしたソーラーオレンジ、青は大阪港の海を表すアクアブルーとしている。新しくなった近鉄ロゴ、書体が変わった車両番号、妻面の窓の大きさが小さくなったこと、側面窓が2連窓1枚下降式から大型半固定内折れ窓となったこと、LED式側面行先表示器が設置されたことが改造前の7000系と異なる点であった。屋根部には車外スピーカー、連結面には転落防止用外ほろが設置されている。2004(平成16)年からの7000系ワンマン・高速化改造と同時施工された車体更新改造では、それぞれ7020系に準ずる改造が施されて側面の違いはなくなった。その他、7000系は屋根部に換気扇カバーがある点も7020系と異なっている。

 車体先頭部は、基本的に7000系と同様である。車両番号の書体が変更されたこと、行先表示器がLED式化、運転台ワイパー大型化、貫通口にワイパーが増設されたことが改造前の7000系と異なる点であった。こちらも7000系車体更新改造でそれぞれ7020系に準ずる改造が施され、現在の違いは運転台ワイパーの大きさ程度となっている。

ソーラーオレンジ・アクアブルー

ソーラーオレンジ・アクアブルー

側面近鉄ロゴ

側面近鉄ロゴ

連結器付近

連結器付近

VVVFインバータ装置

VVVFインバータ装置

車 内

車内(座席灰色化後)

 車内は、同時期に製造されたシリーズ21にほぼ準じているが、シリーズ21に設けられている座席の「らくらくコーナー」は設けられていない。座席は片持ち式としてバケットシートが採用、一人当たりの占有幅は7000系と比べて20mm拡大した460mmとした。表地は赤系統となっており、扉間は6人掛け、車端部は3人掛けである。現在全編成が座席更新を完了しており、表地は灰色のものとなっている。床敷物は砂目模様のものが採用されている。つり革は座席部のみならず扉部にも設置されており、高さを通常より85mm低いものを混在させ、荷棚も高さを25mm低く65mm手前に出して利便性向上を図った。車内案内表示装置も1両あたり4台千鳥配置で設置され、ドアチャイムは大阪市交通局と同じものとなっている。「地下鉄道の火災対策基準」の見直しに対応するため、車内照明の蛍光灯保護グローブは廃止されている。

床敷物

床敷物

座席

座席

優先座席

優先座席

車椅子スペース

車椅子スペース

車内案内表示装置

車内案内表示装置

乗降扉

乗降扉

つり革

つり革

車内照明

車内照明

台 車

台車

 台車は、車体直結空気バネ、筒形ゴムブッシュ軸箱案内方式のKD-92を採用している。

フルラッピング

けいはんな・ゆめはんなPRラッピング

2005.09.13~2008.06中旬

 けいはんな線延伸開業のPRを目的としたラッピングが第21編成を対象に施された。けいはんな線延伸開業後は、地下鉄中央線・近鉄けいはんな線統一愛称「ゆめはんな」をPRするラッピングに変更された。2008(平成20)年6月中旬の定期検査入場に伴い、東生駒車庫でラッピングが解除された。

けいはんな線開業PR

けいはんな線開業PR

開業祝賀ラッピング

開業祝賀ラッピング

ゆめはんなPR

ゆめはんなPR

改 造

ワンマン化改造 【2005(平成17)年】

 近鉄線内ワンマン運転化に対応するために改造が行われた。

【主な改造内容】

ATO/TASC化・OMワンマン化・可動式ホーム柵対応化改造 【2023(令和5)年~】

 OsakaMetro中央線内の可動式ホーム柵設置、TASC運転化に伴い改造が行われている。この改造では、将来の中央線内ワンマン化・ATO運転化にも対応する改造となっている。現在第23編成が入場中で、詳細は改造内容は今のところ不明である。

【主な改造内容】

全般・重要部検査

 7020系が配置されている東生駒車庫は、全般・重要部検査などを行う設備を持っていない。このため7020系は、近鉄大阪線沿線に在る五位堂検修車庫へ回送され検査が行われる。

 7020系は近鉄他線区では自走ができないため、3両ずつ電動貨車に牽引されて入場する。現在使用されている電動貨車はモト75形(MF78)で、1日目はC#78+7420-7520-7620+77、2日目はC#78+7120-7220-7320+77という編成となる。回送はドアステップ・集電靴を取り外した上で行われる。

関連車両

モト75形電動貨車

 7020系の五位堂検修車庫入出場の回送際、7020系は第三軌条集電方式のため架空線集電方式の他線区を走行するのが不可能であるため、電動貨車モト75形が使用される。モト75形は、7000系を牽引するために森之宮型の連結器を装備している。近鉄標準連結器と区別するため、森之宮型連結器を装備している方は青色の識別帯が入っている。

方向幕・行先表示器

登場時

登場時

 全編成登場時は3色LEDであった。

近鉄けいはんな線開業

近鉄けいはんな線開業

 近鉄けいはんな線開業では、市交車と同様のものが追加された。2019(平成31)年3月からは一部編成フルカラーLEDに変更されており、英語表記が従来の“IKOMA”から“Ikoma”に変更された。

新規追加は、谷町四丁目・学研奈良登美ヶ丘・阿波座である。

ワンマン・高速化改造 近鉄けいはんな線開業

-現行-
1 回送

OUT OF SERVICE
回送

Out of service
2 回送

NOT IN SERVICE
回送

Not in service
3 試運転

OUT OF SERVICE
試運転

Out of service
4 試運転

TEST RUN
試運転

Test run
5 臨時

EXTRA
臨時

Extra
6 貸切

CHARTER
貸切

Charter
7 コスモスクエア

COSMOSQUARE
コスモスクエア

Cosmosquare
8 大阪港

OSAKAKO
大阪港

Osakako
9 森ノ宮

MORINOMIYA
阿波座

Awaza
10 長田

NAGATA
谷町四丁目

Tanimachi4-chome
11 新石切

SHIN-ISHIKIRI
森ノ宮

Morinomiya
12 生駒

IKOMA
長田

Nagata
13 新石切

Shin-Ishikiri
14 生駒

Ikoma
15 学研奈良登美ヶ丘

Gakken-Nara-Tomigaoka
16
17
18
19
20
21
22
23
24

主要諸元表

形式 ク7120 モ7220 サ7320 モ7420 モ7520 ク7620
車種 Tc1 M1 T M2 M3 Tc2
車体構造
自重〔t〕 34.0 37.0 28.0 37.0 37.0 34.0
定員(座席定員)〔人〕 125(39) 135(45) 135(45) 135(45) 135(45) 125(39)
車体長〔mm〕 18,900 18,700 18,700 18,700 18,700 18,900
車体幅〔mm〕 2,900 2,900 2,900 2,900 2,900 2,900
車体高〔mm〕 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745 3,745
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御

21~24
制御装置
MAP-154-75V131 <三菱IGBT>
主電動機

●:MB-5104A(三菱)

  145kw 4個/両
駆動方式

●:WN駆動

  歯車比 103:14
連結装置

●:森之宮型密着

○:半永久
補助電源装置

●:SIV-H114A
空気圧縮機

●:AHS-20
集電装置

▼:TC-19A

  第三軌条上面接触式
制動装置 KEBS-21 電気指令式電磁直通空気ブレーキ

(回生ブレーキ・抑速ブレーキ・保安ブレーキ・応荷重装置付)
台車形式 M車:KD-92B、T車:KD-92C
最高速度 OM線内:70km/h 近鉄線内:95km/h
加速度 OM線内:3.0km/h/s 近鉄線内:3.0km/h/s
減速度 3.5km/h/s(常用最大) 4.5km/h/s(非常)
集電方式 / 電圧 第三軌条集電方式 / 直流750V
走行路線 大阪市高速電気軌道中央線(コスモスクエア~長田)

近畿日本鉄道けいはんな線(長田~学研奈良登美ヶ丘)
所属 東花園検車区
配置 東生駒車庫

車両履歴表

編成表

〔←コスモスクエア 学研奈良登美ヶ丘→〕

竣工日 製造所 営業運転開始日 ワンマン化改造 ATO/TASC化・OMワンマン対応化

ホーム柵対応化改造
行先表示器 備考
竣工日 改造所 竣工日 改造所
7121-7221-7321=7421-7521-7621 2004.09.07 近車 2004.12.07 2005.09.12 東生駒 2023.12.-- 五位堂 FC-LED
7122-7222-7322=7422-7522-7622 2004.10.07 近車 2004.12.01 2005.06.08 東生駒 2024.02.-- 五位堂 3色LED
7123-7223-7323=7423-7523-7623 2004.12.20 近車 2005.01.29 2005.06.06 東生駒 2023.07.-- 五位堂 3色LED
7124-7224-7324=7424-7524-7624 2005.02.15 近車 2005.03.19 2005.09.19 東生駒 五位堂 3色LED