車両
2022.12.15更新
新デザイン化、一部加筆、写真を追加しました。

100系/19--.--.---フェリーターミナル~ポートタウン東

100系/19--.--.---ポートタウン東

概 要

南港検車場に佇む100系

 大阪市交通局100系車両は、1981(昭和56)年3月16日のニュートラム南港ポートタウン線の開業用に製造された車両である。最終6両編成を想定した設計となっており、車号もそれを考慮している。100系の定員計算方法はバス方式となっているため、100A系の定員とは大幅な差がでている。

 100系は無人運行を前提に設計された完全なATO車両である。1981(昭和56)年の南港ポートタウン線開業用として、1次車の4両編成13本52両が製造された。1986(昭和61)年には輸送力増強のため2次車となる4両編成3本12両が製造され、100系は4両編成16本の64両となる。1次車はウレタン充填のノーパンクのラジアルタイヤを採用していたが、このタイヤは乗り心地が悪く開業時より不評であったため、1982(昭和57)年から1983(昭和58)年にかけて補助車輪内臓の空気タイヤに変更された。

 1993(平成5)年10月5日の17時30分、住之江公園駅において無人自動運転の列車が通常停止位置から約51m前方の車止めに衝突して停車する事故が発生した。これにより南港ポートタウン線全線で45日間にわたって運休となり、当該編成の第13編成は事故廃車となった。

 南港ポートタウン線は埋立地である咲洲(南港)の臨海部を走行することから、開業時から活躍していた100系は海からの潮風が吹きつけて塩害が進み、1994(平成6)年より100系の置き換え用として100系の3次車となる100A系が登場。順次置き換えられ、1997(平成9)年12月中旬には100系1次車が消滅した。そして2002(平成14)年3月に100A系第36・37編成が投入され、100系2次車が運用を離脱し廃車。100系は姿を消した。

 ニュートラム初の記念すべき車両であることから、101-06号車が緑木車両工場で保存されている。

第16編成

第16編成

第14編成

第14編成

外 観

上が尾灯、下が前照灯

 車体は鋼製で板厚を薄くして軽量化を図っており、白色で全塗装されている。

 車体側面は、中央1ヶ所に扉を設けており、側面窓は2連一部固定のものが採用されている。側面窓の上下には、路線カラーの水色の帯が巻かれている。先頭車の扉横には、ステンレス製のニュートラムのNマークが設置されている。

 車体前頭部は、中央に貫通口を配した左右対称形となっている。貫通口の周囲は赤色で塗装されており、警戒色の役割を果たしている。前照灯はスカートの両側に、尾灯は腰部の両端にそれぞれ設置されている。

南港型密着連結器

南港型密着連結器

車 内

100系車内

 車内は、座席モケットの表地が柄なしの茶色となっている。つり革は座席部のみで、扉部には設置されていない。原則無人運転だが、両先頭車には異常時や構内運転用に運転台が右側に設けられている。

100系座席

100系座席

保存車両

101-06号車

 1次車である101-06号車が緑木車両工場で保存されており、2005(平成17)年11月12・13日の「市電保存館&車両保存館一般公開」で初めて一般公開された。

主要諸元表

形式 101 100 102 105
車種 M1 M2 M3 M6
車体構造
自重〔t〕 10.8 10.5 10.5 10.8
定員(座席定員)〔人〕 72(22) 75(24) 75(24) 72(22)
車体長〔mm〕 8,075 8,000 8,000 8,075
車体幅〔mm〕 2,290 2,290 2,290 2,290
車体高〔mm〕 3,150 3,150 3,150 3,150
制御方式 可逆式サイリスタレオナード制御
制御装置
RG-705-B-M <東洋>
主電動機

●:TDK-8820-A(東洋)

  90kw 1個/両
駆動方式

●:直角駆動

  歯車比41:6
連結装置

●:南港型密着

○:半永久
補助電源装置

●:S4314-C-M
空気圧縮機

●:TU-FLO500S-2
集電装置

▼:PT-64-B

  側面接触式
制動装置 EU-5 電気指令式電磁直通空気ブレーキ

(回生ブレーキ・保安ブレーキ付)
台車形式 スイングアーム式
最高速度 OTS線内:55km/h 市交線内:55km/h
加速度 OTS線内:3.5km/h/s 市交線内:3.5km/h/s
減速度 4.0km/h/s(常用最大) 5.0km/h/s(非常)
集電方式 / 電圧 側面接触方式 / 三相交流600V
走行路線 大阪港トランスポートシステムニュートラムテクノポート線(コスモスクエア~中ふ頭)

大阪市交通局南港ポートタウン線(中ふ頭~住之江公園)
最終配置 南港検車場

車両履歴表

編成表

〔←コスモスクエア 住之江公園→〕

竣工日 製造所 認可別 空気タイヤへ交換 廃 車 備 考
101-01=100-01=102-01=105-01 1981.01.13 新潟 鉄道事業法 1983.04.14 1995.03.31
101-02=100-02=102-02=105-02 1981.01.13 新潟 鉄道事業法 1983.03.01 1996.02.06
101-03=100-03=102-03=105-03 1981.01.13 新潟 鉄道事業法 1983.02.22 1996.11.07
101-04=100-04=102-04=105-04 1981.01.13 新潟 鉄道事業法 1983.03.23 1997.12.16
101-05=100-05=102-05=105-05 1981.01.13 新潟 鉄道事業法 1983.05.11 1996.09.11
101-06=100-06=102-06=105-06 1981.01.13 新潟 軌道法 1983.03.24 1997.12.16 101-06号車は保存車両
101-07=100-07=102-07=105-07 1981.01.13 新潟 軌道法 1982.09.10 1994.12.02
101-08=100-08=102-08=105-08 1981.01.13 近車 軌道法 1982.12.01 1995.11.29
101-09=100-09=102-09=105-09 1981.01.13 近車 軌道法 1983.04.05 1996.10.09
101-10=100-10=102-10=105-10 1981.01.13 近車 軌道法 1983.05.10 1997.12.16
101-11=100-11=102-11=105-11 1981.01.13 近車 軌道法 1983.06.15 1995.10.31
101-12=100-12=102-12=105-12 1981.01.13 近車 軌道法 1983.06.14 1995.09.28
101-13=100-13=102-13=105-13 1981.01.13 近車 軌道法 1982.12.10 1994.09.29 ニュートラム車止め衝突事故の当該編成
101-14=100-14=102-14=105-14 1986.03.12 新潟 鉄道事業法 新造時より対応 2001.11.17
101-15=100-15=102-15=105-15 1986.01.30 新潟 鉄道事業法 新造時より対応 2001.03.21
101-16=100-16=102-16=105-16 1986.02.13 新潟 軌道法 新造時より対応 2002.03.22