車両
2023.03.25更新
足元灯についての表記を修正、写真を追加しました。

200系/2016.11.26-南港口

200系/2017.03.30-南港東

概 要

南港検車場の200系

 大阪市高速電気軌道(大阪市交通局)200系車両は、2016(平成28)年6月29日から営業を開始した車両で、ニュートラム南港ポートタウン線の100A系置き換え用として製造された車両である。

 無人自動運転を行う南港ポートタウン線のさらなる安全性向上のため、地上設備の改良(誘導無線方式からデジタル無線方式へ変更)を行うこととなり、100A系で対応するには大規模な改造が必要となってしまうことから全編成新造車両に置き換えることになった。200系は「車内居住性・快適性の向上」「従来からの車両イメージの一新」「安全性・信頼性の向上」「省エネ・省コスト化」の4点をコンセプトとして定めて開発が進められ、2015(平成27)年6月12日に投入が公式発表された。2015(平成27)年10月6日に試作車となる第01編成が南港検車場に搬入、搬入の様子が大阪市交通局ホームページで紹介された。2016(平成28)年3月30日に一般募集による「ニュートラム新型車両200系試乗会」を開催されたが、調整遅れのため当初予定されていた本線走行を検車場内走行に変更して行われた。その後も調整を行い2016(平成28)年6月29日より営業を開始した。2016(平成28)年10月1日~19日まで、第03~07編成の外観カラーの搬入順を当てるクイズ『色を当てて「レインボー撮影会」に行こう!』を実施、7名の方が見事正解された。正解人数が少なかったため、レインボー撮影会は後日参加者を追加募集して2017(平成29)年3月25日に開催された。

 2017(平成29)年6月に搬入された第08編成と2017(平成29)年11月に搬入された第12編成以降は、搬入時より前照灯がLEDとなった。第10~12編成は、2018(平成30)年4月の民営化を控え、ニュートラムシンボルマークなしで営業開始した。なお第13編成は欠番となっており、公式な理由は明らかになっていないがニュートラム車止め衝突事故の当該編成が100系第13編成であったことで、欠番となっているものとみられる。第14編成はOsaka Metro誕生を記念したゴールドカラー(稲穂)となり、2018(平成30)年4月1日のOsaka Metro初日に「ニュートラム200系ゴールド車両出発イベント」で営業を開始している。第16編成以降は搬入時よりOsaka Metroのロゴ「moving M」が表示されている。

 現在、4両編成20本の80両が南港ポートタウン線で活躍している。

200系当初のスタイル

200系当初のスタイル

民営化を控えロゴ表示なし

民営化を控えロゴ表示なし

搬入時から前照灯がLEDとなった第12編成

搬入時から前照灯がLEDとなった第12編成

ニュートラムシンボルマーク+LED前照灯

ニュートラムシンボルマーク+LED前照灯

「moving M」とLED前照灯の現在のスタイル

「moving M」とLED前照灯の現在のスタイル

植物編成と動物編成

植物編成と動物編成

外 観

200系外観

 車体は軽量ステンレスを使用している。南港ポートタウンの公園で元気に走り回る子供をイメージし、見た・乗った人が楽しめるよう編成毎に異なった配色とすることで、南港地域に彩りを添えている。第01~07編成は果物、第08~16編成は植物、第17・18編成はイラスト、第19~21編成は動物をイメージしたカラーとなっている。

 車体側面は、30000系と同じくビートラインがないすっきりとしたものになっており、腰部より上は編成毎に異なる配色となっている。行先表示装置は設置されていない。ニュートラムシンボルマークは前面に表示されているため、200系では側面の表示は無くなった。大阪市交通局の民営化に伴い、ニュートラムシンボルマークを表示していた編成は順次「moving M」に変更された。第01~09編成はニュートラムシンボルマーク、第10~15編成は表示なし、第15~21編成は「moving M」での搬入となった。第10~12編成は表示なしの状態で営業開始、第14編成は営業開始直前に「moving M」を表示、第15編成は試運転前に表示された。

 車体前頭部は笑った子供の顔を表現し、FRP(繊維強化プラスチック)製で各編成カラーに塗装されている。貫通口は運転台とは反対側いっぱいに寄せ、自由に立ち入ることができるようになった運転台部分の広い眺望を確保している。窓の下には各編成色の薄色を、窓周りの黒色とともにグラデーションで配してアクセントとしている。貫通口の前照灯・尾灯横にある扇形の部分を開けると、外側から貫通口を開けれるようになっている。試作車の第01編成のみ前面窓がやや小さくなっている。2021(令和3)年ごろから一部編成で前面連結器の胴受けが編成カラーに塗装された編成が登場している。

先頭車側面

先頭車側面

中間車側面

中間車側面

乗降扉

乗降扉

連結部分

連結部分

製造メーカー銘板

製造メーカー銘板

車両形式銘板

車両形式銘板

屋根

屋根

集電装置

集電装置

台車

台車

床下

床下

前面連結器胴受け未塗装編成

前面連結器胴受け未塗装編成

前面連結器胴受け未塗装編成

前面連結器胴受け塗装編成

イラスト編成

第17編成

 第17・18編成は沿線のデザイン系学校(大阪総合デザイン専門学校)の学生より募集した外観デザインのラッピングとなっている。デザインを募集するにあたっては、200系の「南港で元気に走りまわる子供たち」という基本イメージを踏襲しつつ、車両の枠を超えた自由な発想を取り入れたデザインを施すことで、ニュートラムに新たな風を吹き込み、南港地区のさらなる活性化を目指すことを基本コンセプトとした。その上でデザイン性・地域性・親しみやすさ・永らく愛されるか、夢があるか(楽しくなるか)、デザインに込めた思い(コンセプト)の6つの観点で総合的に評価した結果、2作品が採用されることに決定した。

 第17編成は「自然キラキラ、みんなワクワク」、第18編成は「南港に羽ばたく子供たちと四季折々の景色」というテーマとなっている。

第18編成

第18編成

201-17号車

201-17号車

200-17号車

200-17号車

202-17号車

202-17号車

205-17号車

205-17号車

201-18号車

201-18号車

200-18号車

200-18号車

202-18号車

202-18号車

205-18号車

205-18号車

車 内

200系車内

 車内は、「南港に住んでみたい」「南港に行ってみたい」と思えるようなデザインとし、住之江公園方2両(1・2号車)は南港ポートタウンの公園の草木を、コスモスクエア方2両(3・4号車)は南港ポートタウンに咲く桜をイメージした配色となっている。座席は1人あたりの幅が従来よりも広くなり、一部をクロスシートとすることで通路・貫通路の幅を広く確保した。運転台部分も2人分の座席として開放されており、無人運転時は前面展望が楽しめるようになっている。優先座席は2・3号車に、車椅子スペースは1・4号車に設けられている。各扉上にはLCD式車内案内表示装置を設置、各車両妻面に1台ずつ沿線地域の楽しい情報などを提供する情報発信表示装置を設置している。照明はLEDを採用、省エネ化を図るとともに間接照明とすることでふんわり・やわらかい空間を演出し、足元灯・貫通路灯を追加してさらに明るい空間を創り出している。足元灯は第07編成以前と第08編成以降で取付方法が異なっていた。第07編成以前は横向き、第08編成以降は下向きとしていたが、後に下向きに統一された。またゴールド(稲穂)編成の第14編成の車内には68個の稲穂のイラストが点在している。

200系車内(公園)

200系車内(公園)

200系車内(桜)

200系車内(桜)

200系床敷物(公園)

200系床敷物(公園)

200系床敷物(桜)

200系床敷物(桜)

200系座席(ロング)

200系座席(ロング)

200系座席(クロス)

200系座席(クロス)

200系優先座席

200系優先座席

200系車椅子スペース

200系車椅子スペース

200系車内案内表示装置

200系車内案内表示装置

200系情報発信表示装置

200系情報発信表示装置(19インチ)

200系天井手すり

200系天井手すり

200系足元灯(第07編成以前)

200系足元灯(第07編成以前)

200系足元灯(第08編成以降)

200系足元灯(第08編成以降)

200系運転台付近

200系運転台付近

200系運転台

200系運転台

200系運転台モニター

200系運転台モニター

改造

量産車化改造 【2017(平成29)年】

試作車の第01編成、量産車の第02編成

 試作車として登場した第01編成は、2017(平成29)年1月に新潟トランシスに搬出され、第02編成以降の量産車に準ずる改造が行われた。

【主な改造内容】

前照灯LED化 【2017(平成29)年~2018(平成30)年】

前照灯LED化された第02編成

 第01~07・09~11編成の前照灯は電球が採用されていた。第08編成で新造時よりLEDが試験採用となり、第12編成からは新造時よりLEDとなった。電球が採用されていた編成は2017(平成29)年から順次LED化され、全編成が完了している。

主要諸元表

形式 201 200 202 205
車種 M1 M2 M3 M6
車体構造 ステンレス ステンレス ステンレス ステンレス
自重〔t〕 10.8 10.5 10.5 10.8
定員(座席定員)〔人〕 40(12) 43(14) 43(14) 40(12)
車体長〔mm〕 8,075 8,000 8,000 8,075
車体幅〔mm〕 2,290 2,290 2,290 2,290
車体高〔mm〕 3,190 3,170 3,170 3,190
制御方式 PMVコンバータ/インバータ制御
制御装置
RG-708-B-M <東洋>
主電動機

●:TDK6457-A(東洋)

  110kw 1個/両
駆動方式

●:直角駆動

  歯車比41:6
連結装置

●:南港型密着

○:半永久
補助電源装置

●:S4314-G-M
空気圧縮機

●:A3755-HS-5
集電装置

▼:P6501-A

  側面接触式
制動装置 E106-D 電気指令式電磁直通空気ブレーキ

(回生ブレーキ・保安ブレーキ付・応荷重装置付・ばね式駐車ブレーキ付)
台車形式 案内アームステアリング式
最高速度 55km/h(設計60km/h)
加速度 3.5km/h/s
減速度 4.0km/h/s(常用最大) 5.0km/h/s(非常)
集電方式 / 電圧 側面接触方式 / 三相交流600V
走行路線 大阪市交通局南港ポートタウン線(コスモスクエア~住之江公園)
配置 南港検車場

車両履歴表

編成表

〔←コスモスクエア 住之江公園→〕

竣工日 製造所 カラー名称 認可別 営業開始日 量産車化改造 前照灯

LED化
備 考
竣工日 改造所
201-01=200-01=202-01=205-01 2015.11.04 新潟 ブルーベリー 鉄道事業法 2016.06.29 2017.02.-- 新潟
201-02=200-02=202-02=205-02 2016.10.07 新潟 レモン 鉄道事業法 2016.10.20
201-03=200-03=202-03=205-03 2016.11.14 新潟 ピーチ 鉄道事業法 2016.11.19
201-04=200-04=202-04=205-04 2016.12.12 新潟 メロン 鉄道事業法 2016.12.20
201-05=200-05=202-05=205-05 2017.01.19 新潟 オレンジ 鉄道事業法 2017.01.28
201-06=200-06=202-06=205-06 2017.02.16 新潟 グレープ 鉄道事業法 2017.02.24
201-07=200-07=202-07=205-07 2017.03.21 新潟 アップル 鉄道事業法 2017.03.30
201-08=200-08=202-08=205-08 2017.07.07 新潟 あじさい 鉄道事業法 2017.07.19 新造時より対応
201-09=200-09=202-09=205-09 2017.08.10 新潟 キンモクセイ 軌道法 2017.08.22
201-10=200-10=202-10=205-10 2017.09.14 新潟 コスモス 軌道法 2017.09.24
201-11=200-11=202-11=205-11 2017.10.20 新潟 軌道法 2017.10.28
201-12=200-12=202-12=205-12 2017.11.24 新潟 さざんか 軌道法 2017.12.02 新造時より対応
201-14=200-14=202-14=205-14 2018.03.23 新潟 稲穂 軌道法 2018.04.01 新造時より対応
201-15=200-15=202-15=205-15 2018.05.11 新潟 軌道法 2018.05.19 新造時より対応
201-16=200-16=202-16=205-16 2018.06.12 新潟 ひまわり 軌道法 2018.06.20 新造時より対応
201-17=200-17=202-17=205-17 2018.07.12 新潟 イラスト(タコ) 軌道法 2018.07.29 新造時より対応
201-18=200-18=202-18=205-18 2018.08.22 新潟 イラスト(子供) 軌道法 2018.08.30 新造時より対応
201-19=200-19=202-19=205-19 2018.09.19 新潟 パンダ 軌道法 2018.09.28 新造時より対応
201-20=200-20=202-20=205-20 2019.02.15 新潟 レッサーパンダ 軌道法 2019.02.24 新造時より対応
201-21=200-21=202-21=205-21 2019.03.07 新潟 トラ 軌道法 2019.03.14 新造時より対応